ひでG

青春群像のひでGのレビュー・感想・評価 まんが,マンガ

青春群像(1953年製作の映画)
4.0
告白2
「私はフェリーニの良さがまだ分からない」

若い頃観た「甘い生活」「81/2」は意味が分からず、近年観直した「道」にはあまり感銘しなかった。
ひょっとして、今「甘い生活」や「アマルコルド」を観たら、新たな発見があるかもしれないけど、まだ良さを実感できてなあい。

そんな私が初めてフェリーニを凄い!と思った本作!
いやあ〜説明しにくいけど、かなり面白かったわ!

タイトルは「青春群像」だけど、出てくる男共はアラサー。イメージは、青春というよりモラトリアム。
当時のイタリアにあんなに働かなくても30前後まで生きていける階級があったことは意外だが、貴族や大金持ちではない、いや中流?に見えたんだけど、とにかく、全編飲んで、パーティやって、海辺に行って、仲間でつるんでる。
そんな輩のたわいない出来事が続くだけの話。

生産性も、ドラマチックな出来事も、共感もほとんどない。

ただ、なぜだかずっと観ちゃう。
意味のないように見えるエピソードの縁に
ドキッとするようなショットがあるんだ。

例えばこの仲間のリーダー的男、最もしょーもない男と彼の友達で同時に義兄になる友人が像を盗むというエピソード。

売れずに、もう諦め付き人していたちょっとかわいそうな男にその像をあげちゃうシーン。
海辺で盗まれた像を慈しむように抱きかかえる少し遅れた男の子。
とっても綺麗で、心に残るシーンだ!

あるパーティで朝まで騒いだ友人2人。ガランとした会場で酔いながら踊る2人。
「もうとっくに青春は終わってるのに!」と言われているような厳しい場面だ。

劇作家希望のひとりと劇団の大御所との食堂のシーンも、他の演劇に全く興味がない仲間たちとの対比も、絵として秀でている場面だ

フェリーニの視線は、この5人と微妙な距離感を保っている感じがした。
突き放して批判するのではなく、さりとて愛すべき人間たちとも描いていない。

ラストも突き抜けていくような明るさはなく、
なんとなく「この先には本当の苦労が待っているよ。」みたいな冷めた終末と、

一番しょーもない男が、しょーもない顛末に受けた罰のコミカルさの複色も楽しい。