よしまる

太陽がいっぱいのよしまるのレビュー・感想・評価 まんが,マンガ

太陽がいっぱい(1960年製作の映画)
4.0
幼い頃に観て、大人になってマット・デイモンの「リプリー」を観てから、CSでやってたのでもう一度観てみたところ、、
より原作に近いというリプリーに比べると相当話を端折っていたことがわかった。

昔見たときはところどころ意味がわからなかったのだけど、当時の映画、とくにヨーロッパの映画というのは多くを語らず、絵的な良さを優先していたのだから仕方がない。というか、だから良い。

こう言うと身も蓋もない話だが、リプリーで印象に残っているのはトムが露骨にフィリップに想いを寄せるシーンくらいのもので、それとて説明的すぎるといえばそうだし、絶望的なラストも本家のほうがあっさりとしか描いてないのにやたらと記憶に残る。それにはアランドロンの類稀なる容姿と、ヒロインのマリーラフォレの存在感、ニーノロータの音楽によるところも当然大きい。

仮に話なんかそっちのけにしたとしても、イタリアの乾いた空気感とか、大海原での強い陽射しや潮の香りが鮮烈に思い出されるのはやはりこの「太陽がいっぱい」の素晴らしさ。そして何よりそのことと、トムの置かれる境遇や心境がいちいちリンクして深みを帯びているのが最高だ。
そう、ラストで最高の人生を嗜んでいるときのアランドロンの表情はほんとに最高。